styling/ ディレクター 白幡啓の対談連載3(後編)

styling/のディレクター白幡が、いま会いたい人をお招きする対談連載です。
タイトルは白幡自身の口癖であり、この連載のテーマ。
各界で活躍する方々と、明日着る服を考えるように“わくわくするファッションの話”を。

vol.3
ディレクター Accessary designer 椿原 順子さん(前編/後編

『明日、何着る?』vol.3 stylist / mikomori director junko tsubakihara

白幡啓の対談連載Vol.3のお相手に選ばれたのは、アクセサリーブランド「steady by cc」のデザイナーでありながら、モデル、人気インスタグラマー、かつ一児の母と多くの顔を持つ椿原順子さん。
後編では、styling/の新作から気になるアイテム「ストライプのロングジレ」をピックアップ。お互いのスタイリングセンスを披露しながら、さらに“大人に似合う服”を極めます。

「赤のドレスを合わせた大人のメキシカン」Coordinate by 椿原順子

椿原:展示会で見た時からずっとこのストライプのロングジレが気になっていて。styling/の今季のテーマ「メキシコ」をイメージして、ジレの下にもお気に入りのstyling/の真っ赤なドレスを合わせてみました。

白幡:すっごく似合ってる! 赤のドレスどうかな?派手すぎるかな? と思ったけど、ご本人全然負けないね。

椿原:ドレスはちょっとたくし上げることもできて、そうするとシルエットにアクセントが出てまた面白い。歩いた時に、裾がほわ~っとなびくのもエレガント!

白幡:赤のドレスは透け感が素敵なんだけど、一枚でまったりと着ちゃうとリサイタル感出ちゃうね(笑)。でも透け感のあるシフォンドレスと地厚なハリのあるジレ、この異素材でメリハリをつけた着こなしは、大人のバランスとして正解だと思う。

椿原:白幡さんに、「ちょっとこれ合わせたらどう?」って渡されたピンクの帽子。これもまた可愛い! よりメキシカンな雰囲気が出ますね。

白幡:でしょ? ピンクだけどメキシコの夕陽をイメージしたくすみピンクだから、コーディネイトにすっとなじむのよ。かぶってもいいんだけど、差し色に手に持つだけでもいいの。

椿原:ベージュのブーツと相まって、着こなしが品よくマイルドになりました!

「白を軸にした洗練ミリタリー」Coordinate by 白幡啓

白幡:椿原さんにはぜひこのミリタリーパンツをはいてみてほしくて。ロングジレと合わせるとカジュアルなんだけど、洗練された感じがして映えるのよ。

椿原:こういうパンツは持っていないのですごく新鮮です!

白幡:リアルなミリタリーパンツをイメージしながら、大人が日常で着られるようにそぎ落とすものはそぎ落として、でもミリタリーな雰囲気は残してって、すごくこだわった一本なの。裾がキュッと絞れるから、足首も細くなる。

椿原:ミリタリーパンツなのに、すごく軽くてはきやすいです。ほんのちょっと腰で落ちた、ゆるい感じもいい。

白幡:私自身、小柄で合うものがないから、サイズにはこだわらずにはく。サイズよりも気分が大事だと思ってるの。雰囲気ではくっていうのかな。“ゆるいのかな~? いやでも細い!”みたいな。はく人が3センチでも細く見えれば成功なのよ。細く、若く、Yeah!ってなノリ。

椿原:雰囲気ではくって、大人ならではなのかもしれませんね。

白幡:それと、コーディネイトでいえば、「白」で芯をつくりつつ、女性らしいピンクを差したかったの。

椿原:普段ピンクとか着慣れないですけど、そんな私でも違和感ないです。Tシャツだからかな? 同じTシャツを色違いで重ねるテクもさすが!ですね。ここにもこだわりが?

白幡:特にない。とりあえずいま、「Tシャツ2枚重ね」が気分なの。なんかね、2枚重ねるって洒落てるのよ。透けないとか、だらしなくない、というものあるけど、なんとなく着こなしがピリッとする。

椿原:たしかにTシャツなのにきちんと見えるしすごくお洒落な感じ、しますね。私もさっそく取り入れます!

これも気になる! styling/のドレストレンチコート

オーバートレンチコート ¥39,000+tax

椿原:ちなみに白幡さん! 私、このトレンチコートにも一目ぼれだったんですけど。

白幡:わかります? この子、本当に可愛いのよ~。ウエストでキュッと絞ると繭みたいなコクーンシルエットになるんです。けっこうみなさん、スタンダードなトレンチはすでにお持ちだから、2着めに買うならこういった感じはどうかな、と。

椿原:持ってないですね~。生地のドレープ感とか、お美しい。

白幡:前にstyling/でつくった大好きなドレスがあって、それをベースにトレンチにしたら可愛いんじゃないかって思ったの。生地を薄手にして、軽く纏えるように。コートっていうよりもうこれ自体がドレスよね、そんな感覚。

椿原:ドレスがベースにあるからどこか華があるんですね。白幡さんおすすめの着こなしが知りたいです。

白幡:すごい派手なワンピースに洒脱に羽織ってもサマになるし、逆にボロボロのデニムを合わせてもパリジェンヌっぽくて素敵よ。ワンサイズ大きめを選んでモードっぽく着るのもいいかもね。もうこれね、本当におすすめのニュートレンチよ!

椿原:想像するだけでお洒落です~。

「styling/」と「steady by cc」

白幡:きょう椿原さんが身につけていらしたアクセサリーはご自身のブランド「steady by cc」のものですよね。どれも素敵! それにご自身でつくっていらっしゃるなんてすごいなって。

椿原:自分がいまの気分で身につけたいものをつくっているんです。パールでも、ちっちゃいとコンサバになるというか、つまらないので、思いっきりビッグパールにしてみたり、ものすごく長くしてみたり。モチーフの大きさやチェーンの長さとかで、面白さを出すようにしてますね。

白幡:styling/のコーディネイトにもすごくマッチしてた!

椿原:デザインを考える時、styling/の服を着てることが多いからかも(笑)。

白幡:本当に!? うれしい!

椿原:styling/の服にもしっくりくるアクセサリーをつくってる、ともいえるかもしれませんね。なので、きょうの撮影では、「styling/」と私の「stady by cc」が着こなしのなかでコラボレーションさせていただけてうれしかったです!

stady by cc

明日、何着る?

白幡:最後にお約束のこの質問、明日、何着る?

椿原:きょうはハンサムなジャンプスーツだったので、明日はstyling/のスカートを優雅になびかせてはきたい気分です。ハンサムとフェミニン、日々交互にくる気分の波をstyling/の服がいつも楽しく応えてくれます。

styling/ディレクター白幡 啓

白幡 啓

1996年よりスタイリストとして活動開始。独自の世界観から生み出される高感度なスタイリングを、得意とする。
意外性に富んだアプローチと時代を読むセンスで、数多くの女優・モデルからの支持も厚い。
女性ファッション誌、広告、アパレルブランドのカタログ、またトークイベントなど、多方面で活躍中。
2016年SSシーズンにディレクターとして「styling/」を立ち上げる。

stylist/director椿原 順子

椿原 順子

自身のアクセサリーブランド「steady by cc」デザイナーとして活躍するかたわら、モデルとして数々の女性誌に登場。
トレンドと大人のさじ加減が絶妙なコーディネイトが注目を集め、インスタフォロワー数は1万人を超える。
朗らかで、好奇心旺盛なキャラクターで日々のお洒落センスにますます磨きがかかる。
Instagram:@junkcam