
styling/のディレクター白幡が、いま会いたい人をお招きする対談連載です。タイトルは白幡自身の口癖であり、この連載のテーマ。
各界で活躍する方々と、明日着る服を考えるように“わくわくするファッションの話”を。
vol.1
フォトグラファー/ジャーナリスト シトウレイさん (前編/後編)
白幡啓の対談連載vol.1のお相手は、世界各国のコレクション取材など多岐にわたって活躍するフォトグラファー兼ジャーナリストのシトウレイさん。
後編では、styling/の新作コートをシトウさんと白幡それぞれがスタイリングする様子をお届けします。
シトウさんが着るstyling/
シトウ:一番着てみたいなって思ったのはこのファーコート。中のコーディネートによっていろんな使い方ができて汎用性が高いと思う。丈も絶妙 !
白幡:ロング丈がラグジュアリーでしょ。ミンク風のエコファーコート。ガウンみたいに、ばさっと着ても可愛いの。
私、レイちゃんに着てもらいたいコーディネートを思いついたから、ちょっと着てみて!
シトウ:そしたら、私も自由にコーディネートを組んでみて、2パターン着てみちゃおう!
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「過去に私がオーダーした私物のstyling/でコーディネートしました。コートを見て最初に思い浮かんだ赤のフーディから始めて、
フーディにはレース、レースにはスカーフ…と合わせたいものの追いかけっこで考えたの。ボトムはオールインワンなんだけど、
総レースだから女らしく着られるのがstyling/っぽいですよね。仕上げに、パリでよく見かけたスカーフを巻いて、カジュアル、
クラシカル、フェミニンのミックススタイルに。違う要素の組み合わせは、昔から私の着こなしのポイントです」
コーディネート論
白幡:レイちゃんのスタイリングは、どこを歩いている人かっていうのがすごくピンポイントにイメージできるよね。
私もスタイリストの仕事をしているとき、こういうところでこういうことしている人っていうのをいつも考えてコーディネートを組むの。
漠然としていなくて、ちゃんと落としどころがあるっていうのが大事なのかなって最近すごく思う。
シトウ:確かに大事かも。イメージがあいまいだと、いざクローゼットの前に立ったとき「着るものがない」って思っちゃうんだよね。
白幡:そう。例えそれが「モテたい!」でもいいの。モテてる自分をしっかりイメージできると、お洋服選びもうまくいく。
それにきっとモテる。
シトウ:みんな着てるから”って、ぼんやり選んでると仕上がりも曖昧になっちゃう。
白幡:レイちゃんは持ってる洋服の量は多いの?
シトウ:多いとは思うけど、フリマを頻繁にして増やさないようにしてる。ゴミにはしたくないからね。
白幡:フリマ、いいね!
シトウ:そういえば、styling/のレースのオールインワンにシルバーのレギンスを合わせたコーデが好評だったんだけど、
白幡:覚えてる! レースの隙間がギラギラしてて注目の的だったよね。
シトウ:そのレギンス、ケイさんのフリマで買ったの(笑)。
白幡:えっ、そうなの!?(笑)
シトウさんが見てきたパリコレ
白幡:レイちゃん、パリコレにも行ってたじゃない?どんな感じだったの?
シトウ:宇宙人服のはじまりだなって思った! バイカーレギンスっていう、膝上丈の、いわゆるスパッツ。あれが気になったんだよね。
白幡:ガチのスポーツだ。
シトウ:そう。 それ使う?っていう素材も多いの。ギアっていうか…。ファッションに転びやすいジャージとかじゃない、ガチのスポーツ素材ね。
あとは、サスティナブルがどんどん広がっていくんだなって思った。ソニアリキエルが、使ってる素材を全部サスティナブルに変えたんだって。
白幡:そうなんだ! その分値段は上がるの?
シトウ:もちろんそうだよね。この時代だし、その流れでやっていこうって考える人が増えてるね。ひずみのない、誰にもしわ寄せのこないようなものづくり。
安く作ろうとして業者さんに無理させるとか、作り手がいっぱいいっぱいとか、そういうのなく、みんなの幸せを考えるようなものづくりね。
白幡:そういう兆しが見えるのって素敵。値段も上がる分、より厳選されていくって感じだね。“エコファー”だって、作りすぎてたくさん余っちゃったり、
すぐに捨てちゃったりすると全然エコじゃなくなるでしょ。動物を殺さないこともとても大切だし、リアルを長く着るのも素敵なことだし、自分で選ばないと。
シトウ:何を持ってサスティナブルか、っていうのをそれぞれが考えなきゃね。自分にとっての正解をみつけて、それをしっかり持っておく。
白幡:それぞれの正解があっていいと思う。やっぱりここでも、“なんとなく”はよくないね。
明日、何着る?
白幡:ところでレイちゃん。明日は何着るの?
シトウ:スパッツかな! 履いてる人を沢山撮ってるうちに、自分もついつい真似したくなっちゃって。
自分の写真に一番自分が影響受けてるっていう。ミイラ取りがミイラになっちゃうパターン(笑)。
styling/ディレクター
白幡 啓
1996年よりスタイリストとして活動開始。独自の世界観から生み出される高感度なスタイリングを、得意とする。
意外性に富んだアプローチと時代を読むセンスで、数多くの女優・モデルからの支持も厚い。
女性ファッション誌、広告、アパレルブランドのカタログ、またトークイベントなど、多方面で活躍中。
2016年SSシーズンにディレクターとして「styling/」を立ち上げる。
street style photographer / journalist
シトウレイ
国内外のストリートスタイルを紹介するサイトSTYLEfromTOKYO主宰。
毎シーズン、世界各国のコレクション取材を行い、独自の審美眼で綴られる言葉と写真が人気を博している。
ストリートスタイルからランウェイまでファッションに対する幅広い知見から企業のアドバイザー、
商品プロデュース、ファッションセミナーなどジャンルを超えて活動の幅を広げている。